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授業例と報告04

2002年8月 加古川市立氷丘小学校  6年生

■教材  [04]JR山陽本線 加古川駅付近連続立体交差事業

■授業設定の方向

 本校の目指す子ども像(育てたい力)は、
 ・課題設定能力・問題解決能力・学び方、考え方・主体性、創造性・生き方
を見つけるために取り組んでいる。
そして、総合学習においては、大きなテーマとして「ずっと住み続けたい氷丘の町」として各学年単元を決め取り組んでいる。
 今回、連続立体交差事業のビデオは、身近な課題であり現在的な課題であり子ども達(6年生)に「生き方」を考えさせるのに適したものとして取り組んだ。

 身近な問題として、愛着のあった高架陸橋(JR)落橋工事がはじまった。今まで、加古川駅周辺商店街へ、加古川南部への南北道路の架け橋的存在であった高架陸橋。この架け橋は、私たち住民全体の生活の中に活かされ生きてきた。この橋を通らなければ、過密ダイヤで走るJRの踏切を20〜30分待ちで通らなければならない。今回の工事で、生活道路として歩んできた陸橋がなくなり、様々な影響が心配された。当然、子ども達にも興味・関心があり身近になったことから、いろいろな疑問や課題を持つこととなった。
この課題を追求し解決する手立てに、今回県土木事務所作成の『JR山陽本線(加古川駅付近)連続立体交差事業』ビデオを視聴する機会を得たことは、子ども達の課題解決の大きな一歩となると考えられる。
 また、落橋工事と駅付近開発によって「住み続けたいわが町氷丘」の未来についても考える契機としたい。

■授業のねらい

 落橋工事による交通渋滞の問題を知り、背景と建設される立体交差事業の魅力ある加古川の町「未来のわが町」を知る。

■授業の流れ

・児童の興味・関心と今回作成のビデオがマッチしたことで事前の課題を追求することができた。
・ビデオを視聴しての感想と比較する中で、今まで知らなかった都市計画や工事の概要や願いを知り、将来のわが町を想像すると同時に自らの主張に活かす。

@ 日常生活の中から興味・関心をもとに課題を決め追求・解決していく。
A 落橋工事は、どうして行われるのか?
                ↓
              ビデオを見る
                ↓
@ 魅力ある加古川の町にするための対策とはどのようなことか。
A これからの加古川駅付近と氷丘の町
                 ↓
            私の主張(自分再発見)

■授業の成果と課題

授業として
・ 子ども達にとって身近な課題を解決させることは、教科での学習以上に興味を持つと同時に、「新しく知る」「考える」ことができ自分なりの夢を持つことにもつながったように思える。
・ 「自ら主張」でも自分なりにビデオで解決されたことをはっきりと言うことができた。
・ この時期でしかできない現実味があり、課題に焦点を当てられたビデオであった。
・ ビデオでは、6年生にはまだ難しい言葉があり、説明しなくてはならなかった。時間があればゲストティーチャーとして話を聞くことも1つの方法であった。
・ 陸橋の落橋については、ビデオに紹介されていなかったことは残念だが、魅力ある加古川市づくりとして駅の南北開発、そして、今までの不便さを解消されることがよく分かったと思う。

児童の感想

・ この付近はものすごい数の車が止められることになり、とても深刻な交通渋滞問題が起こってしまいます。しかし、この工事によって加古川の町は発展し、そして渋滞がなくなるようになります。だから、この工事中はいやだが、工事後は車がすいすい通る新加古川になるので、この工事はよいことだと思いました。

・ 明治時代に山陽本線が開通し、今の加古川駅は大正8年(3代目)にできたとか。今回の工事によって新しい加古川駅周辺になり近代化したビルに駅が入るみたいです。わたしは、こんな計画のもとで今の落橋工事が行われているとは思いませんでした。いつも踏切で長い時間待っていたから、早く踏切を取り除いて欲しいとばかり思っていました。陸橋が落ちて、少し大変だけど2006年には立体交差した道で新しい駅になっている。とても待ち遠しいです。私が住んでいる氷丘の町もずいぶん変わっていることだろう。

・ 私は、駅前(加古川)の踏切で困ったことがたくさんありました。ついこの前も大変困りました。修学旅行の集合は、加古川駅で十分間に合う時間に家を出たのに工事が始まっていたので、踏切で20分ほど止められてしまいました。今、工事をしているのは何のためなのかぜんぜん知りませんでした。でも、このビデオを見て、駅の近くを通るたくさんの人が踏切への不満・不安があって、私と同じように思っていることがわかりました。それに対して、加古川の人たちの高架して欲しいという願いに応えて、様々な作業で工事を進めてくれていることが良くわかりました。はじめは何のためにこんなややこしいことしているんやろうと思っていたけど、このビデオを見てその理由がよくわかりよかったです。これからもがんばって、新たな加古川の町をつくって欲しいです。そして、高架されるのを喜んで待っています。

・ 私は、立体交差事業について陸橋がつぶされてしまうことを知って、はじめはびっくりしました。今まで上ったりするのはしんどいな、下りは気持ちいいなと思って通っていた陸橋がつぶされるのはいやだけど、この工事によって12箇所もの踏切がなくなったり、踏切での事故もなくなったり、渋滞もなくなり、新しい加古川になっていくことを想像すると早くできることが待ち遠しいです。

・ 私は、立体交差事業で陸橋がなくなって電車が上に移動すると聞いて思いました。私たちが生まれる前からあって、ずっと私たちを見守ってくれていた陸橋がなくなると、私はちょっとさびしい気持ちがしました。反対に、少し嬉しい気持ちもしました。いちいち高くて長い陸橋を上らなくてすんで、事故も少なくなるからです。交通も便利になってとっても嬉しいです。ですが、やっぱりさびしい気があります。初めて自転車でお母さんと行った陸橋がつぶされると、風景も変わってさびしいです。でも、どんな風になるか楽しみです。工事する人やこの工事に関係している人にもっと話を聞いてみたい気もします。

・ ぼくは毎日のようにこの陸橋を通っていました。踏切で待たされたり、その時間に車がたくさんきて、渋滞になるなどのこともありました。だから、この渋滞やこの時間がなくなって欲しいと思っていました。この工事によって、これらの問題が解消されるならこの先のことを考えたら、この工事はとてもとてもよく、そして役に立つ工事だなあと思いました。だからこの工事でがんばっている人たちには、普段何も思わないけど、このことを知ったら工事にかかわっている人には感謝の気持ちを持ちました。

・ 私は、前から(踏切の待ち時間が長いな。開いてもすぐ閉まってなかなか通れないなあ。)と思っていました。私も、踏切で待っていて習い事に遅れてしまったことが何回もあります。加古川市に住んでいる多くの人々もこのことで困っていたのでしょう。でもこのビデオを見て、立体交差事業をしていけば、渋滞にならずにすむし、いろいろな効果があるということを知りました。昭和54年に立体交差事業をしましょうと考えられたことにもびっくりしました。人々は、こんな昔から困っていたんだなと思いました。この工事をもっと早くからはじめていれば、もっと早く便利な町になっていたのになあと思いました。早くこの工事が終わって、踏切待ち時間が少なくなって欲しいと思いました。
今後の展望

 子ども達の現代的な課題として、身近な課題から「生きる」を考えさせることは最も興味・関心があり、取り組む姿勢が違っていたように思えた。今回のようなビデオはより広く物事を考えさせる機会の1つになったようにも思える。
 特に子ども達は、目先の陸橋が壊されることだけに目がいっていたようであった。しかし、ビデオによって市民の願いや将来の街づくり、新しい加古川駅周辺になること、12もの踏切がなくなり渋滞や事故の解消につながっていること。1つの陸橋が壊されることだけでなく色々な計画がなされていることを「新しく知る・考える」機会に大きく役立ったように思える。
 こうした事業は、地域が限られているからこそ地域の特色を活かした授業への取り組みができたように思えた。子ども達自身も生涯に渡ってこの事業のことが記憶に残されることであろう。
 今回、こうした機会を得たことは、子どもだけでなく我々教師にとっても価値ある取り組みの1つであったと思える。

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